「正常眼圧緑内障」とは?

12月に入り、ぐっと寒さが増してきましたね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

視能訓練士のKです。今回は緑内障についていくつかまとめてみました。

緑内障の患者数は 465万人と推定され、緑内障は年齢が高くなるほど有病率が上がり, 40歳以上では人口の5%、70歳以上では10%の人が緑内障と言われています。失明原因は第1位になっています。

緑内障にはいくつかの種類がありますが、日本人の緑内障の種類別の頻度は、正常眼圧緑内障が最も多く、その次に原発開放隅角緑内障が多いと言われています。

原発開放隅角緑内障は、眼圧が上がって目の奥の視神経に障害が起きる緑内障をいいます。かなり進行するまで自覚症状がないことが多く、あっても頭が重い、眼が痛いという人がいる程度です。緑内障が進行するにしたがって、次第に視野が狭くなりますが、本人の知らない内に進行して、視野が非常に狭くなってから、はじめて気がつく人もたくさんいます。眼圧を下げる治療は主として目薬での治療になりますが、目薬だけで眼圧が下がらない方には手術なども行います。

緑内障と言われると、眼圧が正常よりも高い病気だと思っている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?日本人の多くが発病する正常眼圧緑内障は眼圧が常に正常(20 mmHg以下)なのに視野が狭くなっているものをいいます。眼圧が正常範囲内でも、他の種類の緑内障と同様に視野が狭くなります。眼圧の正常値という言葉は、視神経障害を起こさない眼圧値の上限という意味で使われています。正常値は20 mmHg 以下と言われていますが、これは多くの人(約95%)の上限が20 mmHg であるというだけで、正常眼圧は個人個人によって異なります。眼圧の個々の人の上限は、視野や視神経乳頭に対する傷害がでるかどうかで決められます。そのため正常眼圧緑内障と診断された人も治療は眼圧を下げるために主として目薬での治療になります。

緑内障にはこの他にも様々な種類の緑内障があります。検査の結果から医師が患者さんに合った目薬を処方して眼圧が下がるように治療をしていきます。目に風が当たる眼圧検査、光が見えたらボタンを押す視野検査は治療方針を決めるうえで大事な検査になってきます。1度緑内障によって狭くなってしまった視野は目薬での治療や手術をしても元には戻りません。すでに緑内障と診断されている方、まだ緑内障と診断されていない方も自覚症状が出てからでは遅いことが多いので定期的に眼科受診をしていただけたらと思います。

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