アデノウイルスについて

新年あけましておめでとうございます。
皆さんはどのようなお正月を過ごされましたか?受付のYです。

2023年はコロナウイルス、インフルエンザ、アデノウイルスなど様々な感染症が流行しました。
今回はその中でも当院でも増えてきているアデノウイルス(流行性角結膜炎)についてお話します。

ウイルス性の結膜炎には3種類あります。
① はやり目(流行性角結膜炎)《アデノウイルス》
症状:強い充血、メヤニ、涙、ゴロゴロする、目の腫れ
感染してから1週間で発症
② プール熱(咽頭結膜熱)《アデノウイルス》
症状:はやり目と同じ症状の他、のどの痛みや発熱
感染してから5-7日で発症
③ 急性出血性結膜炎《エンテロウイルス》
症状:結膜に出血を起こしゴロゴロ感、充血、まぶしさ
感染してから1-2日で発症

はやり目、プール熱と言われるウイルス性の結膜炎はどちらもアデノウイルスによって発症します。
重症の場合はまぶたの裏側に偽膜という炎症性の白い膜ができ瞼の腫れが強くなります。
偽膜が出来てしまうと偽膜が角膜を傷つけ目が痛くて開けられなくなることもあります。
この偽膜を放置しておくと癒着してしまう事があるので早めに除去をしなければいけません。

また、アデノウイルスは非常に強い感染力を持ち、少しの接触で感染してしまいます。
学校保健安全法の学校感染症に指定されているため、治るまでは通園・通学禁止となります。
一般的に治るまでには1週間~10日ほどかかります。
アデノウイルスと診断されたら、タオル等は別にして入浴は最後にするなど感染対策に気を付けましょう。

治療としては残念ながら直接ウイルスを殺すような点眼薬はないですが、
炎症を抑え細菌による二次感染を防ぐため抗炎症薬、抗菌薬を処方します。
はやり目が治りかけた頃に角膜混濁(角膜が濁る事)になる場合があり、角膜が濁るとまぶしさや
かすみなど視力に影響を及ぼすことがあります。
濁りをとるためには点眼薬で治療をしますが状態によっては治るまでに時間がかかったり
放置しておくと混濁が残る場合があるので自覚症状がなくなっても治るまでは通院を続けましょう。

当院ではアデノウイルスの感染が疑わしい場合は他の方との接触を避けるため別の待合席、
またはお車の中でお待ちいただくようお願いしております。
また、感染防止のため接触のある場所をアルコール消毒させて頂きております。

アデノウイルスの検査はキットを使ってウイルスの有無を判断しますが、
アデノウイルスの流行に伴い全国的にキットが不足しております。
当院でも昨年末からキットが不足しており入荷が困難な状況となっております。
アデノウイルスの検査は出来ませんが臨床所見から判断することもできますので目の充血など
はやり目が疑わしい症状のある方はご相談ください。

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